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サイレントチェンジ (Silent change)

 近年の調達のグローバル化に伴って、電機などの大手セットメーカーを中心に『サイレント・チェンジ(Silent Change)』によるリスクが顕在化してきています.『サイレント・チェンジ』とは、メーカーの知らぬ間に、取引先の素材メーカーなどに材料の組成を変えられてしまうことを指します.
最近にも以下などのトラブル事例の記事が出ています.

〇 サイレントチェンジによるトラブル事例などの記事
 ・「サイレントチェンジ」にご用心!改正RoHSで起こるホラーのような話
       (2015.8.15, NEWSWITCH) [外部サイトへリンク]
 ・深層断面/RoHS改正、新たに4物質を使用制限−「鉛フリー化」並みの衝撃
        (2015.8.11,日刊工業新聞) [外部サイトへリンク]
 ・「こっそり変更」で発熱事故 おびえる電機メーカー
       (2015.3.3,日本経済新聞) [外部サイトへリンク]
 ・"サイレントチェンジ"の危うい実態
       (2017.6.17,経済フロントライン, NHK) [外部サイトへリンク]

(記事要約)
 1) サイレント・チェンジは事故後に初めて存在が明らかになるため,被害が拡大しやすい
 2) 問題が起きているのは中国の部品メーカーや素材メーカーがほとんど(国内商習慣・企業とのマインドの違い)
 3) 知識不足のまま、安易にコスト優先での代替材料への変更などが原因の一つ
 4) 海外生産や現地調達の拡大,海外メーカーへの生産委託などがサイレント・チェンジを生む土壌となっている
 5) 1次サプライヤーだけでなく3次や4次サプライヤーまでも複雑化するサプライチェーンを管理することが困難

〇 対策 (分析技術の観点から)
 サイレント・チェンジへの対策にはサプライチェーンの見直しや,仕様書からの曖昧さを排除や,仕様変更が適正な手続きを持って行われるような仕組作りが必要となります.加えて,その仕組みを適切に機能させるには,仕様の変化を監視することができる分析技術が必要となります.そのための分析技術としては簡易性・迅速性・低コスト性が求められる一次評価技術と,必要に応じて高精度な確定診断が可能な詳細分析技術が必要となります.
 一次評価技術としては樹脂などの主材分析のために赤外分光分析計FT-IR,無機元素の含有チェックにエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)などが一般的に使用されています.
 これに対して主材中の添加剤成分(例えば前出のトラブル事例の記事などで原因となった難燃剤や可塑剤など)の場合には,詳細分析が可能なGC-MSやLC-MSなどが分析手法の候補に挙げられますが,これらの分析手法は測定対象となる化学成分に応じて煩雑な前処理や分離カラムの選定が必要となるため,サプライヤー側が行うサイレント・チェンジに対応するには簡易性・迅速性・低コスト性の全ての要件を満足できません.
 このため,添加剤成分の一次評価技術として最近注目を集める手法としてフラグメントレスイオン化(ソフトイオン化)質量分析法があります.この手法ではGCやLCを使用せずに分子量ベースで成分分離を行うことが出来るため,添加剤成分の網羅的な検出性能に優れており,迅速・簡便に添加剤成分の変化をチェックでき,低コスト化も可能となります.
 技術確立が完了したものや製品化されているフラグメントレスイオン化(ソフトイオン化)質量分析装置として数タイプが存在しており,採用するイオン化法や測定システム構成により,定性分析中心の装置や,1台で定性〜定量分析まで可能な装置があります.

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DIP-IA/TOFMS装置の運用開始 *

 フラグメントレスイオン化法としてイオン付着イオン化法を備えたDIP-MSタイプの装置として,精密質量分析が可能なプロトタイプ機の運用を開始しました.質量分析計は日本電子製のAccuTOFをベースにしており,質量分解能は4000程度です.この装置により分子イオン検出した成分を精密質量による化学組成推定が可能となりました.
 本機体は開発時は[TG-DTA]-[IA/TOFMS]として試作しましたが,サイレントチェンジや製品分析等での未同定物質の同定精度を向上させるため,DIP-IA/TOFMSシステムに改良したものです.

   >分析装置ラインナップ

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