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ソフトイオン化法(フラグメントレスイオン化法)

イオン付着イオン化(IA)法

 数〜100 Paの減圧下でガス化した成分にアルカリ金属イオンを付着させます.付着エネルギーは0.1 eV以下であり,非常に温和な条件でのイオン化が可能であるため,基本的に1成分一ピークとなります(多価イオンは発生しない).また, 化合物による感度差が少なく、様々な成分を網羅的にイオン化できるため,有機化合物の一次評価技術のイオン化法として好適です.
 現在,分子イオン検出可能な成分としては非極性,低〜中極性の化学成分中心となっていますが,高極性成分の場合,化学成分をガス化する際に熱分解などの影響を受けやすいことが理由です.今後,DIPに変わるガス化導入法が実用化されることで,より広範にな化合物に適用できることが期待されます.

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光イオン(IA)法

 真空紫外光(10.2eV)による光励起反応によりイオン化を行います.電子イオン(EI)法に比べて温和な条件でのイオン化が可能であるため,断片化(フラグメンテーション)を抑制したイオン化が可能です.
 芳香族化合物に対して高感度で化学成分によるとEI法と同程度の感度が出ると言われています.また,構造特異性があり,分子中に酸素原子を持つような化合物はフラグメンテーションを起こしやすいと言われています.
 IA法に比べるとフラグメントレス性能では劣りますが,特定の成分は高感度検出が可能であったり,構造特異性を有するため,成分同定に有利に働く場合もあります.また,イオン源の構造が単純で汎用的に利用しやすく,低コスト化を図り易い点も利点と言えます.

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[参考] 電子イオン(EI)法

 ガスクロマトグラフィー/質量分析法などで一般的に用いられるイオン化法です. 70 eVの電子線を照射して化学成分を断片化(フラグメンテーション)することでイオン化を行います.フラグメントイオンのマススペクトルは非常に複雑になるため、イオン化を行う前にガスクロマトグラフィーにより成分分離することが必要になります.
 イオン化に際しての構造特異性は低く,夾雑成分の存在下でフラグメントイオンのパターンが大きく変化する場合があります.分子イオン検出のため、10〜20 eV程度の弱い照射エネルギーでイオン化する場合もありますが,PI法のような構造特異性はありません.
 EI法の利点は,過去に蓄積されたライブラリ数が豊富であり、断片化情報(構造情報を含む)による物質同定が可能になる点と言えます.

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その他のソフトイオン化法

 上記の他,ガス化した成分をソフトにイオン化する方法として,大気圧下でイオン化を行えるDirect Analysis in Real Time(DART)法や大気圧化学イオン化(APCI)法,真空化でイオン化を行う電解電離イオン化(FD)法などがあります.

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